人気ブログランキング | 話題のタグを見る
他市の財政と原子力の血流

さてツイッターで原発交付金の使途について書いた所、
それでは他市はどうなのか?と。
原発交付金が無くてもやっているじゃないか?というメールを頂きました。

本来は同等規模の市を重ね合わせて比べる事が最も適当なのでしょうが、
島根県の中でも松江市と同等規模の自治体である
お隣の出雲市の今年度の財政について分かりやすく説明をしたいと思います。


出雲市の現状が以下です。↓(出雲市オフィシャルのコメントです)

「予算圧縮の難しい扶助費や繰出金などの増加は大きく出雲市財政に深刻な影響を与えている。」

これは全国どこの自治体もそうで、

現在圧倒的に 「生活保護」 「高齢者福祉」などへかかるお金が
毎年、毎年、圧倒的に増えているのです。

そしてそれは人口減少・超少子高齢化の本格的な到来により、
さらに拡大する事が決定的とされています。


こういったものは行政では 「民生費」 と言いますが、

分かりやすく私達の給料でいうと
例えば「月額18万円」だとすると、なんとそのうち 「8万円」が
「病院代」や「子育て」や「福祉」に使われているお金(民生費)になっています。
ところがこれを減らすワケには行きません。まず健康に、暮らす事が第一となるワケです。
ゆえに、「予算圧縮が難しい」 という結論になるのです。


さらに以下が出雲市の財政です。(出雲市オフィシャルコメントです)

「実質公債費比率及び将来負担比率は全国790 市区中で
実質公債費比率が高い方から20 番目、
将来負担比率が14 番目となっている。


これは出雲市だけじゃなくて、全国多くの自治体が今、また今後に
多くの課題を残して財政運営をしています。
つまり相当の無理をおかして住民サービスを維持・提供しているという事です。

松江市でも当然、財政再建については議論がなされますが、
今、現在喫緊の課題として議題に上がらないのは
やはり原発交付金の有効利用があるからだと思います。


私は、「お金が必要だから、原発という危険なモノを引き受けろ」 と言いたいのではありません。

原子力発電は 「なにか」 あった時のリスクは甚大で、
危険性については地球の未来についても影響を及ぼします。

多くの人が 「原子力発電所など我が地域にはいらない」 と思っているでしょう。

しかしそれでも自分達の暮らしや電気の使用については
どこかで 「当たり前」 にあるものだと思っています。

ただ、それと同様に我が松江市だって旧来の時、
松江市から出るゴミの処分場を鹿島町の皆さんに作ってもらった。
(誰もゴミの焼却場が、自分の地域に来るのはイヤですよね)

松江市内が、数十年に一度水害に合うからと言って、
遠く離れ、水害に何の関係も無かった尾原・志津見の人達の故郷や想い出は
ダムの底に沈みました。

「車」の理論をかぶせるのは難しいし、暴力的だと知っていますが、
「車」が無ければ失わないで済む命が毎年5000人以上あります。
けども、私達は 「便利さ」 と 引き換えに車に乗っています。

どっかで、人が生きると言う事は矛盾を抱えているんだと思います。

そんな便利さと、今の社会構造を現実的に考えた場合、

今の原子力問題について考えた時。2つの答えしかありません。継続・推進か、停止です。

原子力政策を推進して行く→相当の安全基準のアップが必要→
→安全対策やリスク対策にそこまでコストにかかる原子力発電を
いち企業の電力会社が継続できるのか?→
→ではそれに変わる発電は?→化石燃料等の問題・中東での紛争など化石燃料の高騰化→
→電気料金への跳ね返り→経済・生活を圧迫


原子力政策の停止→今後の廃炉問題→数十年単位の問題→
→またその間の電力供給についてどう維持継続していくか?→
→国内の電力会社の体力が持つのか?

いずれにせよ、原子力問題について落とし所も探さずに論理矛盾をついて行けば、
自らの社会経済や暮らしの論理矛盾に突き当たるゆえに、

多くの国民や松江市民も、綺麗事では済まない多くの矛盾の上に
議論していかねばならないと思います。


それは私達、議会人もそうです。
議会として議決は 「認める」か「認めない」かしかありません。

私が一個人として、ネットで「原子力は嫌いだ」 「原子力なんかなくても俺は暮らしていける」
と叫ぶ事は簡単ですが、議会人としては違います。

この問題は松江市うんぬんではなく、国策として、日本経済の血流の一つとして、
国内を縦横無尽に網羅しています。
もはや止められない車の様に多くの人達に影響があり過ぎる問題になっています。

今、この国策を急停車をして傷つく人は、100億円を寄付した孫さんじゃありません。
この日本経済の血流の中で、わずかばかりの酸素を貰って暮らしている社会的弱者の人達に、
結果的にしわ寄せが来るのです。
いつの時代でも、最初に傷つくのは社会的弱者の方達です。

僕は政治はあくまでも バランスだと思っております。
右手には成長と、左手には救済と。このバランスの中で
皆さんの暮らしを守る為、また安全の為、という微妙なバランスの中で
議会の中で活動をしなければなりません。

今後も、会派として、また個人として議会の中で

中国電力には(本当は中国電力や電力会社だけが悪いわけじゃない)や
保安院には考えられる、また想定を超えるであろう安全基準の徹底を求め、

現実的に皆さんの暮らしと安全について議論・議決をして行こうと思います。
by naotsugu_notsu | 2011-04-05 11:08

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
Twtter
フォロー中のブログ
MIRAI ~未来の為に...
ファン
ブログジャンル
画像一覧