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エネルギー政策・高回転経済・社会保障

原子力エネルギー政策。
それはとどのつまり、全国の県庁所在地の中で唯一の原発立地市である
松江市の事でもあります。

松江市が日本国家の原子力エネルギー政策を引き受けてきた恩恵を
先のブログにアップしました。

ブログを書く前に、一つ断っておきたい。

今、ブログやツイッター等で盛んに日本の原子力エネルギー政策に
ついて意見が交わされていますが、今は正直、自分自身の中で答えは出ていません。

原子力政策から新しいエネルギー政策へ転換をしていかねばならぬ事は、
もはや間違いありません。

しかし、それにはまた多くの時間が必要である事も間違いありません。


今の原子力反対&脱原子力論を唱える方々の中で
あまり見受けられない一つの事実を提示したい。


その中で、「日本のエネルギー政策に伴い、自分達の暮らしを見直す」 という理論。

私達は生活を見直せると思います。

しかし、生活を見直せない人達はどうすればいいのか?

今のハイエネルギーを生みだし、高回転で回る日本経済の中で、
社会保障を受けなければならない人達はどうするのか?


「自分達の暮らしを見直す」 「経済論は後回し」 という人達にとって、

介護を受けなければならないおじいちゃん・おばあちゃん。

生活保護を受けなければならない社会的弱者の方々。

働く場所、働く機会すら制限される心・体・知に障がいを持った方々。


こういった方々をどう判断して行くのか。

それとこれとは話が別なんて事は言わせない。

経済はありとあらゆるものに、人間の血流の様に繋がっている。


皆さんはこれからどう親の面倒を見るのですか?
親元を離れ、故郷を離れ、大都会に暮らす方々。
親が高齢者になり、介護が必要になった時、住み慣れた大都会を離れ、
地元に帰り、親の介護が出来ますか?

たぶん、多くの都会に住む方がそんな事をしないでしょう。
そして、たぶん出来ないでしょう。

親の世話とて、人を介護するのは並大抵の事ではないのです。
私はそれをこの政治の世界に入り、痛いほど知りました。

今の様にまだ、多くの税金でサポートがついている現在の状況で、
「介護疲れ」という言葉があるのです。

人口減少・少子高齢化・医療高度化における長寿社会を
本格的に迎えるこれからの私達にとって、今とは比べる事の出来ない
高齢者介護の世界が待っています。

今、どれだけ高齢者向けの介護施設が出来ているか知っていますか?

それにどれだけの税金でのサポートがついているか。
それを結果的にファローするのは、「国の税金」 である社会保障サービスです。

親の面倒を、社会で(介護施設等)見る様になったから、
これだけ国の借金が増えた、社会保障が増えている一端になっているのです。

また子供もです。

子供の面倒を社会(保育所等)で見る様になったから、
本当に共働きでないと食べれない家庭が
保育所に子供を預ける家庭の中にいくつあるでしょうか?

また生活保護の方々、障がいを持たれた方々にどれだけの税金の
社会保障サービスが今、現在あるか分かりますか?

現在の様な、高回転で回る大量消費社会が続くとは思いません。

しかし、現実問題、それに見合った経済があり、税収があり、
それに見合った社会保障サービスが存在するのです。

そして、そこに原子力エネルギーというモノも深く関わっているのです。


そんな方々をも、巻き込んだ 「生活を見直す」 というのは、そういう事なのです。


だから原子力を受け入れろという事ではありません。

しかし、そこを考えずに 白黒理論でモノゴトを進めて行く事に違和感を感じるのです。


先日、ある方々が、放射能を恐れ、またエネルギーや自らの暮らしの改善、
「自給自足の暮らし」を求めて、遠い田舎に移住されるとお聞きしました。

自給自足は結構。

それでは、故郷にいる、あなたのお父さんお母さんはどうするのか。

介護が必要になった時に、「でわ、国のサービスで介護施設に入れて下さい」 になるのか。

みんなが働いて支払った税金で、
あなたのお父さんお母さんの面倒を見ていなかなくてならないのか。

そんな無責任な 「自給自足」 が存在するのか。


僕は、大きく言えば、「反原発」「脱原発」理論から、「生活を見直す」 と言っている人達に、
それと同じ匂いを感じてならない。


最終的にしわ寄せがくるのは、「ちょっと電気を使うのを我慢しよう」 的な、
私達じゃないのです。

最終的なしわ寄せがくるのは、社会的弱者の方々なのです。


ずっと、前、政権交代の時にも言いました。
社会が劇的に変化する時こそ、必ずついて来れない人達が多くいるのです。
社会が「白」か「黒」かの世界や判断になれば、必ず「富」と「貧」の社会になる。
「貧」になるのは、それは皆さんが言う、原発の恩恵を受ける者達ではありません。


より社会的弱者の方々が「貧」になって行くのです。逆転はしない。
今の社会の差が、そのまま大きくなるだけなのです。


橋本大阪府知事、河村名古屋市長、民主党の蓮訪議員の様に、
白か黒、バッサ、バッサと切って行く政治家は好かれます。分かりやすい。

しかし、嫌われても、分かりにくくても、
本当に日本の為に、そこに住む多くの人達の為に言わねばならぬ事はあります。

そこを抜きにした 「生活を見直す」 的な思想には汲みしません。


福島の模様。

子供達、おじいちゃんおばあちゃん達の現状。

痛いほど知っている。

痛いほど分かる。


放射能に汚染され、将来子供達が病気を発病しない理屈など一つもありません。

責任世代である私達は、子供達の為にしなければならない選択がある。

それは脱原発かもしれない。


しかし、子供達の為にしなければならない私達の覚悟は、ちょっとしたガマンじゃない。

前記した様な未来や現実に、どう向かっていくか。

それを考えて、性根を入れて、エネルギー政策を考えて行かねばなりません。
by naotsugu_notsu | 2011-05-18 23:35

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