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アイヌという民族。


今回の北海道の旅で、初めてその文化に触れた


「アイヌ文化」


「アイヌ民族」というのは、元々本州東北部~北海道一帯に住んでいた先住民族で、

現在は、北海道の限られた地域に、「コタン」という「集落」を持って暮らしている。


アイヌの民、すべてが、その限られた地域、コタンに住んでいるのでなく、

当然、若者の多く、住民の多くは、北海道の様々な地域、全国に暮らしている。



「コタン」というのは、その中でも、

アイヌの人が、「集落を形成している」、という事だ。

その中でも大きい集落は、

「阿寒湖」周辺、阿寒に広がる、阿寒の「アイヌコタン」だ。



今回、「アイヌの民」に初めて接したのだが、俺には相当衝撃だった。

この本州の島根県という片田舎に住む「日本人」には、

この日本において、「民族問題」が存在するとは思ってはいなかったからだ。


アイヌ民族は、元々、その顔立ち、言葉、文化、全てが違う。


分かりやすく言うならば、「沖縄の人の顔立ち」といえば良いだろうか。





「琉球文化」 「琉球人」 が、「大和文化」 「本州人」 に受け入れられて、


「アイヌ文化」 「アイヌ人」 が、現代まで続く、


長きにわたる差別を受けてきた理由はいくつかある。



まず一点に、


琉球(沖縄)が、南方にあり、交易の中心地として栄えたのと違い、

蝦夷(北海道)は、その寒さ故、長きに渡り 「辺境の地」として扱われ、

アイヌの文化自体と、本州との文化の交流が少なかった事。



そして、もう一点。

琉球(沖縄)は、その土地の狭さゆえ、本州の人間が移り住む事は少なかったが、

蝦夷(北海道)は、「開拓地」として、一挙に大量の本州人が、移り住んだ。

現在の北海道に住む人々は、開拓時代に北海道に移り住んだ本州人の子孫達だ。

大量の人間が急に移り住んだがゆえに、本州人は本州人でコミュニティを作り、

顔立ち、言葉、文化の違う、アイヌの民族を徐々に徐々に、一地域に押しやった。


そう、「差別」されてしまう「対象」が、本州から移り住んで来たのだ。

「アイヌ民族」だけならば、「アイヌ」は誰からも差別を受けない。



「琉球民族」は、「琉球民族」のみの暮らし、

そしてその交易文化としての、多様性、人の出入りから、

上手く、「本州との文化の差」を超えれた。


しかし、北海道に住む人々には、移り住んだ当初から

アイヌ民族は、「違う民族=差別の対象」でしかなかった。



ゆえに、

今現在も、北海道には、数多くの差別が残っていると聞く。


先日、国会でも 「アイヌを先住民族として認める」との法律が可決された。


しかし、


「アイヌ民族差別問題」とは、日本全体が抱える問題ではなく、

「北海道民」が持つ、潜在的な「アイヌ差別」の意識問題なのだ。

決して、日本全体が抱える意識問題ではない。




そういう過去を知っているからこそ、

今のアイヌの人々が、どういう風に、

その文化を継承し、現在の文化と調和をはかっているのか興味があった。




そして、その初めて出会ったアイヌの人々は、

「今」を生き、「過去」を紡ぐ事に、一生懸命だった。


アイヌの文化、アイヌの民である事を、「商売」とする事に、誇りを持ち、

想像を超えて、遥かに逞しい「商売人」だった。


「先祖達の文化を、自分たちの文化を商売に…」と思う人もいるだろうが、


それこそが、「アイヌ」という民族が選んだ、

「アイヌ文化」を残す最善の方法だったのだと思う。

彼らだって、暮して行かなければならない。


そして、彼らが北海道で受ける「差別」は、たぶん今なお強く残っている。


「就職問題」、「結婚問題」


アイヌの人だと分かると、結婚に反対されたり、就職が取り消しになったり、

色々とあるそうだ。くだらない。



俺は、そういう意識も、刷り込みもまったくない。

ただ単純に「アイヌの文化」に興味があった。


そして、今回、興味深かったのは、


アイヌ民族の、「火」 に対する意識だ。


南方のグアムにいる先住民族「チャモロ民族」も、儀式、祭りの時に「火」を使う。


アイヌ人も当然、「火」を使う。



ただ、ここで、「火」の意識で、大きな違いがある。


南方の先住民族にとって、「火」は、儀式の道具だ。(大袈裟に言えば)


しかし、北方に住む先住民族アイヌ人にとって、「火」は 「命」だ。


「火」が絶えれば、凍え死ぬ。


南方の人は、「火」が絶えても死なない。


この、根本的な、「命」に対する「火」の意識の在り方が、


北方の先住民族と、南方の先住民族では違うのだ。


この、アイヌ民族の「火」に対する、「祈り」にも似た想いが、


空気感となって、俺には伝わった。


クラさんも、まったく同じ事を言っていた。


「火」が違う。と。「火」への意識が違う、と。




アイヌの文化については、俺もまだまだ勉強不足で、これから少し、

「アイヌ文化」の本を読み漁ってみようと思う。




空気の澄んだ、北海道の夜に見た、あのアイヌの踊りは、


とても神々しく、素晴らしく、


俺はハマってしまいました。


アイヌ文化。


この文化が日本にあって本当に良かったと思います。



アイヌという民族。_e0073385_20241269.jpg


アイヌ音楽のCDと、アイヌの財布と、アイヌの楽器「ムックリ」
by naotsugu_notsu | 2008-08-07 20:24

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