オバマ大統領の演説は、見事だと思う。
シナリオライターは当然いるとしても、その眼には力強さが宿る。
しかし、
オバマ大統領就任は、数年後に予期せぬ方向へ「世界」を導くかもしれない。
オバマ大統領就任のバックボーンにあるのは、
「黒人差別。虐げられた歴史からの希望」
それを、国威発揚に結びつけ、
「強いアメリカ」 「新しいアメリカ」 の創出であろうと思う。
私達、日本人でも、オバマ大統領の演説に心を打たれ、
国でも無く、人種でも無く、他の国の大統領としてではなく、
「人間としての希望の大事さ」
に、日本人の「心」が反応しているのだと思う。
アメリカ国民、がオバマ大統領に熱狂するのも、「世界同時不況」に苦しむその底に、
「希望」を抱いているからの様に見える。
オバマ大統領は、世界への調和を口にした。
それは、「世界」の事より、「他国」の事より、「国内経済に力を入れる」という事に
結果として繋がって行く。
これと同じ状況が、1933年にアメリカであった。
「世界恐慌」により、アメリカ経済、世界経済は麻痺。
アメリカは対外世界への積極的な関与よりも、国内景気重視の政策「ニューディール」を
実行して行く。
「アメリカの目」が、「ニューディール政策」で、国内へ一杯一杯になっている時、
世界には、イタリア、ドイツでファシズムが台頭し、世界は大きなうねりを得て、
あの第二次世界大戦に向かって行く。
ブッシュ元大統領は世界への「独裁体制」によって、多くの失望を生みだした。
しかし、その結果、他の国はアメリカに気を使かった。
あの強硬姿勢が怖かったからだ。
アメリカのオバマ大統領の「世界への調和政策」によって、
北朝鮮、イラン、その他の新興国は、どういう施策を出し、どういう方針で、
今後、世界を相手に向き合っていくのか。
「対外世界への自由の拡大」こそ、世界を救うと信じる共和党。
世界は、その4年後8年後の共和党政権に備えて、
「世界協調路線」の民主党政権の内に、
様々なパワーバランスを変えよう、取り戻そうと
今のうちに、ここぞとばかりに、水面下で動きだそうとする国家もいるかも知れない。
その可能性がゼロとは誰も言いきれない。
オバマ大統領の「希望」が、アメリカ国民の「希望」が、世界の人が持つ「希望」が
4年後。8年後。
世界が抜き差しならぬ状況になっていない事を祈る。
神野東京大学教授の言葉が、怪しい予言の様に、心にポツリ残る。
「歴史は繰り返す」
by naotsugu_notsu
| 2009-01-21 18:25